カインズサービス「メディア事業部」の山田です。
この記事を読んでいるあなたは、「ソーシャルセリング」という用語をご存知でしょうか?
本記事では「ソーシャルセリング」の詳しい内容について深掘りして解説いたします。
最後まで読んでいただくことで、このようなことが理解できます。
- ソーシャルセリングとは?
- ソーシャルセリングがなぜ必要なのか?
- ソーシャルセリングにおすすめのSNS
- ソーシャルセリングで売上をあげるコツ
本記事は、「営業の仕事をしている」「新しい営業手法を検討している」「営業として大きな成果をあげたい」、このように考えている人に向けた内容となっています。
「ソーシャルセリング」とは、どんな営業手法なのか?
「ソーシャルセリング」とは、簡単に言えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を使って、モノやサービスを購買につなげる営業手法のことです。
ソーシャルセリングは、SNS上での交流・情報発信を通じて、見込み客との「信頼関係」を築くことを目的としています。
SNS上でのやりとりを繰り返すことによって、「営業パーソン自身」「自社サービス」を認知してもらうことにつながり、最終的には購買活動にまでつなげることが可能です。
ソーシャルセリングは、国土の広いアメリカでは一般的な営業手法となっており、アメリカのビジネスパーソンは「ソーシャルセリング」の研修を受けることが一般的だそうです。
日本では、まだ聞きなれない用語ではありますが、非対面での営業活動が一般化してきた日本においても、今後、ソーシャルセリングは避けては通れない営業手法になるのは間違いないでしょう。
なぜ「ソーシャルセリング」をやる必要があるのか?
なぜ、ソーシャルセリングをやる必要があるのか?
その5つの理由は以下の通りです。
- 従来の営業活動が非効率になってきた
- SNSをやっているビジネスパーソンが増えた
- SNSで会いたい人の趣味嗜好がリサーチできる
- ザイアンス効果で自動的に信頼が積み上がっていく
- 24時間・365日、活動してない時もセールスができる
一つずつ解説していきますね!
従来の営業活動が非効率になってきた
これまでの営業手法といえば、「テレアポ(電話)」「飛び込み営業(直接訪問)」「メールセールス(テキストメール)」といった営業手法が一般的だったでしょう。
しかし、世界的な感染症の影響もあり、企業では「テレワーク」が一般化しました。
そのような環境変化の中で、「電話をしても担当者がいない…」「飛び込み営業をすると嫌がられる…」「メールはすぐに埋もれて見てもらえない…」といった「営業3重苦」によって、以前よりも営業活動における効果が「実感できなくなった…」という営業パーソンは多いのではないでしょうか。
このような流れから、企業によってはITツールを駆使して、営業スタイルを見直している企業も増えています。
同調査によると、デジタル活用の重要性が高まった理由として「顧客への対面営業ができなくなったから」(52%)が最多であり、「顧客がリモートワーク中心になったことにより、連絡が取りづらくなったから」(36.6%)も上位にランクインしています。加えてコロナ以前と比較して対面営業頻度が減少した割合は61%という結果も出ています。確かに昨今では対面営業がしづらい状況であり、訪問先に与える印象も悪く、そもそもリモートワークの増加により担当者が会社に不在という状況も少なくありません。この対面営業の機会減少をデジタル活用で補いたい心情があるようです。
引用元:5割超の「対面営業ができない」企業がデジタルに走る理由とは
この辺りの「営業の非効率」をカバーしてくれるのが、SNSにおけるソーシャルセリングだと捉えています。
SNSをやっているビジネスパーソンが増えた
以前よりも、SNSに力を入れているビジネスパーソンが増えました。
経営者、人事担当者、広報担当、営業職、技術職、さまざまな領域のビジネスパーソンが、仕事上のつながりを増やすために、SNSで情報発信・交流に力を入れています。
「人材採用でSNSを活用している」
「決裁権のある人とつながるためにSNSを活用している」
「企業広報のため活用している」
「転職活動でSNSを活用している」
「純粋に社外のつながりを増やしたくてSNSを活用している」
このように、さまざまな理由で、SNSを始める人が増えているのは事実です。
営業職にとっては、経営者や決裁権のあるような責任職の人と気軽につながれることは、SNSをやる最大の魅力といってもいいでしょう。
SNSで「会いたい人」の趣味嗜好がリサーチできる
SNSを使えば、会いたい人の趣味嗜好を知ることもできます。
相手が「SNSに力を入れている人」であればあるほど、多くの情報を仕入れることができます。
プライベートな内容、仕事の価値観、休日に楽しんでいる趣味、最近行ったところなど、SNSなら、テレアポや飛び込みなどでは、絶対に仕入れることができない貴重な情報を得ることができます。
相手の趣味嗜好を知ることで、実際に会った時のアイスブレイクにつながるネタが確保できますし、相手のパーソナリティを知ることで、どのような話をすれば共感してもらえるのかまで、事前に把握することが可能です。
ザイアンス効果で自動的に信頼が積み上がっていく
SNSであれば、いつでも好きな時にキーマンと接触することができます。
会いたい人の投稿に「いいね」をする。会いたい人の投稿にコメントをする。会いたい人にDMを送る。SNSなら、こういったアクションがどこにいても、いつでも可能です。
ザイアンス効果(単純接触効果)とは、接触すればするほどに、相手に対して好意を抱きやすくなり、信頼関係が築きやすくなるという心理手法です。
ザイアンス効果とは、最初は興味がなかった物事や人でも、何度も接するうちに、好きになっていく心理的現象のことを指します。別名「単純接触効果(mere exposure effect)」「熟知性の原則」とも呼ばれます。
引用元:ザイアンス効果(単純接触効果)とは?マーケティングに利用できる心理学を分かりやすく解説
SNSこそ「ザイアンス効果」を最大化できるツールなのは間違いないでしょう。
24時間・365日、活動してない時もセールスができる
SNSはインターネット上での交流なので、24時間365日、誰かしらの目に触れています。
自分のSNSプロフィールをビジネス向けに作っておけば、そのプロフィールに興味がある人が見てくれることもあります。
自分の投稿した内容が、誰かの目に触れて共感した方から、コメントやメッセージがもらえることもあります。
プロフィールの固定投稿に、動画として「自己紹介動画」を載せておけば、24時間365日営業してくれる影武者の完成です。
このように「ソーシャルセリング」に本腰を入れて取り組むことで、実際の営業活動よりも大きな成果につなげていける可能性があるのです。
ソーシャルセリングで使うべきおすすめSNS3選
LinkedIn(リンクトイン)
LinkedIn(リンクトイン)はアメリカ生まれのビジネスSNSです。
ビジネスシーンに特化しているSNSで、全世界8億人以上の登録ユーザー数を誇っています。
日本のユーザー数は200万人超えており、現在も参入する人が増えている状態です。
企業側は「採用活動」で積極的に利用しており、一般ユーザーは「転職」「人脈形成」「学習ツール」として利用しています。
Facebook(フェイスブック)
Facebook(フェイスブック)は、27億人を超えるユーザー数を抱えている世界最大の実名登録のSNSです。
2004年にハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグ氏によって作られました。
日本国内では、20代の若者よりも、30~60代のユーザーの利用率が非常に高いです。
Facebookの運営はメタ社(旧フェイスブック社)が担っていますが、メタ社はInstagramも運営しています。
Twitter(ツイッター)
Twitter(ツイッター)は、140文字以内のショートテキストを投稿するSNSです。
実名ではなく匿名で登録することができるので、誰でも手軽に始めやすいですが、その分、素性の分からない匿名ユーザーが多いので、炎上リスクや誹謗中傷などには注意する必要があります。
また、「リツイート機能」によって発信したツイートが、他ユーザーへ次々に拡散されていくという特性を持っているため、LinkedIn、Facebook、Instagramに比べるとより情報の拡散性が高いです。
「ソーシャルセリング」を成功させる3つのコツ
ソーシャルセリングを成功させる3つのコツは以下の通りです。
- セルフブランディング・プロフィールを作り込む
- SNSでは「4つのスタイル」をベースに発信する
- リアクションファーストで取り組む
セルフブランディング・プロフィールを作り込む
SNSアカウントで最も大切なのは、自分のプロフィールを作り込むことです。
SNSアカウントのプロフィールとは、会社でいうところのホームページのトップページにあたります。
SNSアカウントのプロフィールを考える時には、以下のようなことを盛り込みましょう。
- 自分は何をやっている人なのか?(仕事内容・肩書き)
- 自分の強みはどんな分野なのか?(自分の得意分野)
- 自分の好きなこと、趣味嗜好など(親しみを感じられる部分)
SNSでは「4つのスタイル」をベースに発信する
SNSでの発信内容は、以下のように「4つのスタイル」に分けて発信しましょう。
- 自分の考え方や価値観(ファン化、セルフブランディングにつなげる)
- 活動報告(自社の取り組みの共有、自社のちょっといい話)
- 他人の役に立つこと(ノウハウ・ナレッジの共有など)
- プライベート(意外な一面を見せると更に好感が得られる)
リアクションファーストで取り組む
ソーシャルセリングの基本ですが、「リアクションファースト」で取り組みましょう。
どこの馬の骨か分からないビジネスパーソンが、はじめから注目されるわけはありません。
対面のコミュニケーションもそうですが、相手に好感を持ってもらうためには、ひたすら相槌をうつこと、そして、相手がドヤ顔したい話題に大きなリアクションをすることで、ようやく「この人、なんか感じがいいな」と認知してもらうことができます。
SNSにおいても同じです。相手の投稿に「いいね」というリアクションをとりながら、時には相手の投稿内容で気付かされたことを「コメントする」、こういった地道な積み重ねが、お互いの信頼関係を築いていくことにつながるのでしょう。
【まとめ】営業パーソンが「ソーシャルセリング」をやるべき5つの理由
今回はSNSを活用した営業手法である「ソーシャルセリング」について解説いたしました。
SNSを使えば、一度も会ったことがない人とすぐにコミュニケーションをとることが可能です。
また、SNSを使えば、会いたい人の情報にすぐにアクセスできる、そんな便利な時代です。
しかも、SNSの利用は無料です。そう考えれば、営業パーソンにとってSNSを活用しない理由はないでしょう。
一点、注意したいのは、ソーシャルセリングに本格的に取り組むのであれば、モラルやルールを遵守して進めていく必要がありますので、営業パーソンの「SNSリテラシー教育」は必須です。
所属している会社としてのコンプライアンスを重視した上で、ソーシャルセリングに取り組むことで、これまでにはない縁が生まれることによって、大きな成果を上げることができるのではないでしょうか。