カインズサービス「メディア事業部」の山田です。
必要最低限の仕事だけをこなし、それ以上は頑張らない。
こういった仕事への価値観を「静かな退職(Quiet Quitting)」といいます。
コロナ禍において、海外で大きなトレンドになり、日本でも「静かな退職」のムーブメントが起きています。
「静かな退職」という選択が、働く人の人生をどのように変化させていくのかについて書いていきます。
静かな退職(Quiet Quitting)とは
静かな退職とは、実際に会社を退職するわけではありません。
会社に所属したまま、「必要以上に頑張ることをやめる」ということなので、仕事は普通にやりますが、「与えられたこと以上のことはしない」という働き方です。
ワークライフバランスを重視した働き方といえば聞こえはいいですが、ネガティブな言い方をすれば、仕事への情熱や創意工夫を捨てるということにもなります。
静かな退職(Quiet Quitting)を選ぶと人は不幸になる
結論ですが、「静かな退職」を選ぶことで、人は幸福感が得られなくなります。
なぜなら、人の幸福度というものは、結果を出して誰かに認められたり、誰かの役に立っているということが認識できるからこそ高まっていくものだからです。
「必要最低限にとどめる」という仕事のやり方で、他者から高い評価を得ることができるでしょうか。
それは難しいですよね。静かな退職を選ぶことは、その人の幸福度を下げてしまうといっても過言ではないはずです。
あなたが働いている職場は働きやすいですか? カインズサービス「メディア事業部」の山田です。 「正直言うと、今の職場って働きづらいなぁ」と素直に感じたあなたは、本記事を最後まで読む価値があります。 本記事はこのようなことで[…]
必要最低限という働き方では自己実現はできない
自分の人生の幸福度を高めるには、他者から認められることだけでなく、自分自身の成長を感じることが、最も大切なことだと思います。
これまで出来なかったことができるようになった。プレゼンテーションがうまくいった。目標をクリアすることができた。新しいことにチャレンジできた。
このように、自分の殻を破ることが出来た時にこそ、人は大きな充実感を得ることが出来ます。
人は誰もが「自己実現」をしたいと考えています。
自己実現とは、人間の欲求のうち最も高度な欲求で、自己の内面的欲求を社会生活において実現することをいいます。
そう考えるならば、「静かな退職」のような働き方は、自分自身の可能性を低く積もってしまう行為ともいえます。
会社には「静かな退職者」を抱える余裕はない
そもそも論になりますが、これからの会社には「静かな退職者」を抱える余裕はありません。
2021年の倒産企業の平均寿命は23. 8年と言われています。 (東京商工リサーチ調査)
大手企業でさえも安定がなくなってきた昨今。特に日本経済は人口減少、高齢化社会へのシフト、インフラの老朽化など、経済不安につながる要素を多く抱えています。
会社として生き残るためには、従業員ひとりひとりのレベルアップが不可欠です。
「静かな退職者」のような、仕事に対して意識の低い人を抱えて走れるほどの余裕は、今の会社組織にはないのです。
「静かな退職」を選ぶと会社にいづらくなる
また、静かな退職を選ぶことの大きなデメリットとしては、会社にいづらくなるという点です。
必要以上に頑張るということを諦めるわけですから、仕事のチャンスや職域も拡がっていきませんし、自分より後に入社した後輩が自分の上司になるということが現実に起きるでしょう。
若い時はまだ良いですが、そのままの状態で年齢を重ねた時には会社に居場所がなくなり、誇れるようなキャリアもないということになれば、転職することすら難しくなってしまいます。
つまり、静かな退職を選ぶことは、将来的には厳しい現実を生み出してしまう可能性があるのです。
精神的に病んでしまった時には「静かな退職」をするのもあり
ただ、精神的に追い込まれて心が病んでしまったりした時には、「静かな退職」を選ぶことも必要です。
心が壊れるまで働くということはあってはなりません。
自分の体調に異変を感じたり、会社内での人間関係で悩んでいるという時には、一時的にでも「静かな退職」を選びましょう。
心の状態が安定してきたら、また元の働き方に戻せばいいのです。
自分を追い込みすぎることだけはしないように気をつけましょう。
安易な静かな退職(Quiet Quitting)はやめておこう
仕事はほどほどに、プライペートを充実させよう。このような考え方を全否定するわけではありません。
私は「仕事という車輪」と、「プライベートという車輪」の両輪がうまく回転していくからこそ、人生は豊かになり高い幸福度が味わえると信じています。
仕事も大切ですし、プライベートも大切です。
ただ、「静かな退職」というムーブメントに飲まれて、「仕事への情熱」を失うことはとても勿体ないことだと思います。
仕事に対して情熱を持って一生懸命取り組むからこそ、日常生活にもハリが出てくるはずです。
そう考えるなら、仕事は「人生を彩るスパイス」ともいえます。
仕事をすることは楽ではありませんし、苦しむことも多いですが、いつまでも情熱を持って取り組む姿勢を大切にしたいと思います。
本記事が仕事で悩んでいる方の一助になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。